投票できるコンテンツサイト

AKB48が人気なのは、CDを買うことでアイドルに会いに行ったり投票できたりするシステムを持っているからで、要するに参加できる楽しみが確保されているというのが重要だそうだ。

 
お金を払って投票したり応援したりする消費行動は他にもあるように思われる。キャバクラ嬢に貢いでみたり、アニメの円盤を複数枚買ってみたり、ネット配信者の広告に大金を使ってみたりするのも同じようなものではないだろうか。

こういう仕組みを、なるべく効率的な形で、コンテンツの作り手が活動するネット上のプラットフォームに導入し、作り手たちのマネタイズの手段にできないものだろうか。

動画サイトを例にとると、今は、サイトが集めたお金を特定の指標に基づいて再分配することで作り手に還元している。ここでいう特定の指標とは、再生数など視聴者の無意識を計量するもので、ランキングなどもこれを元に作られることが多い。しかしそれだけでなく、消費者自身が投票のような形で参加でき、コンテンツを通して、作り手に換金可能な票を貢げる制度を設計してみてはどうか。

無料でコンテンツが手に入る動画サイトで、人はわざわざ代金を支払ったり投票に行ったりしない、そういう人間はごく一部に限られるという見方もあるかもしれない。しかしそれはある程度技術的に解決できるのではないか。例えばニコニコ動画のようにアカウント利用に課金をさせつつ、アカウントに無償で1ヶ月につき120票配布する。この票はコンテンツに対して投票することができ、どのコンテンツに何票いれようがユーザーの自由だ。そして「投票しなかった分はサイトの運営が総取りします」とでもアナウンスすれば、サイトの運営を信用できないユーザーほど、自分の票を誰に渡すべきか真剣に考えるようになるのではないか。このようにインセンティブを与える設計は、アメリカのNGO税制でも採用されている。

票という形で視聴者の意識が直接反映される分、ユーザーの参加感も確保しやすいだろうから、それがこのシステムに参加するモチベーションにも繋がるのではないだろうか。副産物として、再生数工作などの影響を受けにくい、一人ひとりの投票が反映されたランキングも作れるだろう。