初音ミク天皇制

「政治家を初音ミクのようなキャラクターにすればいいのではないか」という話を聞いたことがある。それがどのような意味をもつのか、うまくいくのかどうかはわからない。しかし「キャラクターに代替しよう」という発想はむしろ天皇にこそふさわしいのではないだろうか。

 
現行の日本の天皇制を維持することは物理的に難しいが、天皇はいらないという議論に対しては国の象徴は必要だという反論も根強く、天皇制をやめることは政治的には難しそうだ。

しかし、天皇という役割が必要だとしても、それを現実の一個人に全面的に担わせるべきだという議論には論理の飛躍を感じる。これは技術的に解決できないのだろうか。

例えば、初音ミクというキャラクターを天皇にする。天皇は公務という仕事をこなさなければならないが、これは公務に詳しい宮内庁のプロがこなせばいい。公務によって求められる能力が違うだろうから、それぞれの公務ごとにその分野のプロが担当すればいいだろう。重要なのは、彼らプロがミクのコスプレをして公務にあたることだ。これで、中の人が変わっても、ミク=天皇というアイコンが共有できるので、国の象徴というものの同一性が失われずに済むのではないだろうか。

この方法なら、天皇というシステムを後世にわたって維持可能なものとしつつ、皇族として生まれた者がその義務に縛られることもなくなるだろう。